マヤ暦を学んでいると、マヤ暦を考え出した偉才の智恵に感服するだけではなく、マヤ暦の仕組みと密接に絡み合っている神秘的で象徴的な意味、力、智恵が隠されているかを思い知ることになるのですが、その「暦」がピラミッドという神殿として正確に建造されていることには驚くばかりです。
91からなる階段がピラミッドの4面にあります。
91×4=364
最後の1段は4面が1つに繋がっているので
364+1=365
ピラミッド自体が「暦」なのです。
1日=1キン キンは太陽です
20キン=1ウィナル 20日が1周期(1ヶ月)です
18ウィナル=1トゥン 18ヶ月で1年です(360+5日)
20トゥン=1カツン 7200日でマヤの1世紀です
この尺度は太陽暦を元にしていますが、これに太陰暦(260日)と金星暦(584日)の循環運動の知識が加えられ、52年の年の束や、260年のアハウ・カツンなる車輪を回転させていくのです。
壮大な宇宙時間を知るために、ずっと天や星の動きを観察し、記録を取り続けたマヤの神官たちは、何のためにこれをしていたのでしょう?
マヤの暦の知識は、科学的な計算として時間の法則を探るものではありませんでした。
それはマヤの人々に天の神々の動きを追い、宇宙の中には無縁で不必要なものなど1つもないという揺るぎない真理を胸に、自分たちの運命の再来を予測し、神々が天から運んでくる荷物(運)の中味を予見させることができる、唯一の可能性だったのです。
天空と星辰の動きを観察していたマヤの人たちは、時を見張る交代役としてピラミッドの頂上に立っていたことでしょう。
人間の一生が、神々の循環の中にいることを彼らは悟っていたかもしれません。
暦を知り、マヤ文明の遺産である「時」の考え方や価値観を知ることが、私たちの新しい時代を生み出す「エネルギー」となるのです。